2005/08/21

ヒトラー最期の12日間

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土曜日に「ヒトラー最期の12日間」を見てきた。久々に映画館に行ったが、やはり映画館で映画を見るというのは楽しい。


評価:★★★★☆
寸評:人間が破滅を目前とすると、ここまで自己中心的に自己正当化を行うのかという面白い映画。ヒトラー自身の精神が崩壊していく様を三人称的視点で描いており、その映像を見ていると哀れにすらなる。ただし2時間45分と長いので後半はかなりダルい。DVDが出たら間違いなく買う。プライベート・ライアン並みに楽しめた。

僕は歴史に明るくないので、ナチスドイツの人名を出されてもゲッベルスぐらいしか知らない。まぁヒムラーとゲーリングぐらいなら聞いたことあるなぁ、ぐらい。
この映画は、ヒトラーの元秘書ユンゲの日記を元に作られているらしいが、この人物描写がほとんど真実だとすると、ゲッベルスとヒムラーというのはただのバカだなぁと思ってしまうわけだ。まぁ実際にはゲッベルスはナチの広報活動において中心的な存在として活躍した天才的アジ屋だったらしいが。

まぁなんというか、独裁者とは結局こういうものだな、と実によく表していると思う。自分が「ここにこの軍を送って敵を撃退しろ」という指示は守られるべきだと考えている。そして異論をさしはさむ余地を与えない。
「その軍は兵力もなくて弾薬もほとんどない」という情報を入れたところで独裁者の耳には入らない。すべては独裁者の夢のような希望論をもとに軍が動かされる。
そして自分の思い通りにならないとすぐ怒る。ヒトラーはそういう人物だった、というだけではない。誰しも、独裁者として君臨した場合同じような性格になると考えられる。
なぜかって? うちの会社の社長が同じリアクションだからだ。

うちの会社は出版社だが業績が悪い。結果として人がどんどん辞めていく。社長が社員集めて「今期は売り上げが上がって業績よくなる」と説明する。
で、「その根拠は?」と聞くとキレる。なぜなら根拠など無いから。説明できないからキレる。独裁者たる社長が「これこれで本をいっぱい出して全部売れる」と言ったら、「売れる本を作るように指示した」ということになって、根拠の必要性などは自分で分からなくなってしまうのだ。ヒトラーが「軍を向かわせて敵を撃退しろ」と言うのと一緒だ。

つまりこのヒトラーの映画は、ナチが「ヒトラーとゲッベルスが聞かん坊だったから敗北した」とかいうチンケな話ではなくて、「人間が独裁者となったとき、どのような性格に変貌するか」を表した映画だと言ってもいい。また独裁者を抱える組織というものが、どうして脆弱になっていくかということも良く分かる。結局はYesマンだけが周囲に揃えられ、優秀な人間が冷遇されるからだ。
まさにうちの会社と同じだ。管理職としてまともに管理ができる人間は、いまやうちの会社に一人もいない。冷遇されて辞めていってしまったからだ。

やはり人間は、独裁というシステムに向いていない。そのことに気付かせてくれた映画だ。

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